流動体について、について

 まさか自分が学生のうちに小沢健二の動く姿をこの目に収めることができるなんて思わなかった。と言っても、僕は本当にオザケンファン見習いの見習いで、知っている曲が少ない上に、音源も「刹那」しか持ってないのでどうにも、なんだけど。 ラジオで流れた「流動体について」は優雅さの権化だった。東京の街を歩いた経験がただの一度しかなく、しかも歩いた場所もまるっきり違うので、アーバンライクな歌詞は想像で補っても不足するところはある。けれど、すべてを包み込む煌めいたメロディー。 小沢健二が歌った世界観の中で、過去への思考を巡らせて、言葉の無力さを認めながら間接的な影響力を述べる曲は、これからも際立つものになる。怒涛の転調と一見して難解な歌詞から、それは彼自身が辿った(それは東京からアメリカに渡って別活動をしていたあいだなのか、それとも別のことかはわからないけれど)思考の旅を綴ったものなんじゃないだろうか、と連想してみるのだった。  小沢健二といえば、僕は「強い気持ち・強い愛」が去年の長時間特番のテーマソングに使われたことを思い返していた。あれもストリングス周りは服部隆之氏だったなぁ、と考えながらそれを聞く。聞いた後の多幸感と祭りのあとのような感覚を、うまく味わえる曲だ。神様が魔法をかける、ってこの時の弾けかたを認識しながら。 確かに「流動体について」と「強い気持ち・強い愛」では環境も雰囲気も違う。「流動体について」について言うならば後者の無責任なまでの明るさがスッと消えて、重みのある曲が完成した、というイメージを僕…

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人付き合いの愚痴

 他の人の孤独に当てつけるつもりは全くないのだけれど、いま僕は少なくとも孤独からは一ミリくらい離れることが出来ていると思っている。 ふと中学時代の同級生の活躍を新聞のスポーツ面で知って、そういえば僕はその頃の繋がりはほぼ断ち切ってしまって、ある時に近所で出会って近況を尋ねたり、数少ない旧友に他人のこの頃を又聞きすることはあるのだが、要は自分にとってそれくらいのものなんだということに気づいた。 あまり良くない思い出を抱えたまま、高校でさらに三年間過ごすのは耐えられない、と当時の僕は思ったのだろう。圧倒的に正しい判断だと思う。 しかしその直後はよくセンチメンタリズムに陥ったものだ。たかが中学生に毛が生えたようなものである。そりゃなる。 若かりし頃(今も若かろうが)の苦い経験を活かしきれてはいないが、今は昔に比べて人付き合いはうまくなったのではないかと思う。嘘が下手なので、少なくとも本音と建前を使い分けられる器量はそんなにない。相手がそこをわきまえて話しているとすれば別だが、もしそうだとしても腹を割って話せる関係に近づけるのなら、この関係を保っていたい、と珍しく思うようになった。 僕はこれに似た思考を過去に三、四回しか持ったことがない。言い換えれば、それ以外の人付き合いはそんなに言うほどでもないわけだ。もちろんその思考の詳細を書き記すのはエピソードというより個人情報に近いので差し控えるが、その一つは去年の8月にあった2つの出来事と、それに関わる人々だ(SNS経由で知り合ったからこその儚さを今になって思う…

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雑記帳 20170117

 雑記を記す。以下、脈略はない。ラジオっぽいものなので、喋り口調っぽい。 ▼北海道から帰ってきた。大体スキーしたり飯食ったり演劇見たり。概ね楽しかった。独断専行型の人間とも割と仲良くやれることを悟った。と同時に、人格が心配になってきた。あと、天候に恵まれ、寒波こそ厳しかったが、極限の寒さは滞在期間中だけで言えばこちらと同じレベルだった。 ▼最近は、マスコミの暗部を見て眠り込んだり、かと思えばテレビやラジオを一つの指標で評価してしまう性を疎ましく思ったりしながら生きている。一種「マスゴミ」と言われて久しい業界にある業界気質とも思えるのだが、長いこと放送ファン見習いをしていると、やはり泣きたくなるほど一つの指標しか見えていない、見られていない、これは業界もファンも視聴者も疲れるし疲れたんだろうな、と思える出来事が多すぎる。 例えば視聴率。本来僕たちは、僕の認識不足でなければ、囚われることはない。放送局のスポンサーに対しての資料の性質が強いからだ。が、今のネットニュースは、視聴率がどうだこうだと騒ぎ立てる。これは、僕のフォロワーが言っていたことだったのだが、視聴率に対して番組を評価すること自体が放送ファンまで広がるといよいよ悲哀である。 テレビ局自体を一面的に評価しないことを考えて何かを見ることの大事さが再発見されている。指標を見つめすぎなければ、良さが発見されて自然と人が集まってくるものである。視聴率は、ゴシップネタや下衆いネットトークネタではなく、製作者のモチベーションアップに使ってほしい。 …

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