地元意識と高校野球

 夏の高校野球は終盤を迎えている。延長に次ぐ延長、快打に次ぐ快打。 活躍しているのは、大半が私立高校だ。2000年代に入り、公立校のベスト8入りは1~2校、出場自体も少ない。そんな中で、他県から選手を集める「野球留学」に対し、「地元意識」を見る公立校もしくは私立校に甲子園の観客の目が集まるケースがある。 先日の青森山田 対 彦根東戦。滋賀でも超がつく進学校である彦根東側のスタンドは、(甲子園から近いということもあったのか)「井伊の赤備え」を受け継いだように赤かった。 一方の青森山田も、一昔前の「地元代表全然いない系」のイメージを覆すような、青森の選手を中心にしたメンバー。まさしく、地元愛をぶつけ合う試合だったのではないかと感じた。ちなみに、この試合で青森山田は「紅」を演奏していたが、赤備えに紅をぶつける度胸、恐れ入った。 結果としては青森山田の勝利だったが、このような地元愛がぶつかりあう試合は珍しい。熊本代表の秀岳館は、以前大阪のクラブチームをまるまる引き抜いて話題になったし、今年に関しても数割が私立校の野球部だなあ、というメンバー構成だった。 観客は、もっとスケールを大きくするならば、各都道府県民はどのようなチームに地元意識を覚えるのか。県立校でも私立校でも気にしないという人が多いと、ことTwitterでは思う。あるいは、周りに聞いてもわかる。県境に住む方ならば、むしろ隣県の代表を応援するケースもあるかもしれない。 選手に関しても、別に地元意識が重要ではない、と思っていそうだ。学校の地元に愛着を…

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洒落について、PRについてのいくつかの考え

「洒落のわからんやつと思われるかもしれませんが、本当にコレで住んでる人がハッピーになれるんでしょうか」 これは、地方PR動画の乱立に関しての話題で、7月26日のMBS毎日放送「VOICE」の西アナウンサーが述べた言葉だ。この言葉は、現代の洒落についての論考を深める言葉なのではないかと思っている。 洒落とは嗜好品であるという前提はさすがに疑問を持たれても仕方がないとは思うが、かといって戦火の少女がその戦争で亡くなった人をネタにされて笑えるなんてことはないだろう。貧困に喘いでいる人が貧困で笑うのは自虐的なのかという議論にも繋がる話と思う。 洒落という名で「人を馬鹿にする笑い」が正当化されて、それからそれについての批判が「洒落の分からないやつだ」と逆批判を受ける構図は、なぜ日常で過ぎゆくのみで誰も指摘しないのか。 Twitterのように、僕も含めたすべての人々が熟成もされぬ考えを即時陳列可能なショーケースが形成されてしまった現状を見て、即時性の笑いをどこまで認めるかの大きな流れを見た気持ちになった。「ジョーク」として流せるのかを自分の頭で考えていくのが本当の笑いなんじゃないかと思うと、漫才とはよく構成された笑いだと気づく。 ちなみに、僕が「世相を斬る芸人」をことごとく嫌っているのは、彼ら自身は「うまく世間のタブーを斬っている」つもりでも(実際にぶった斬っている人は、案外そういうことは迷いつつもいうものだ)実際には中傷のほかは何も言っていないからだったりする。立川志らく氏の「自分は間違っていると思いながら…

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「まっすぐ息を吸って。」 ~現役放送部員の目から

 へっぽこ放送部員の怒りの表明として読んでもらえればいいと思う。  いま、一部の放送部員の間で小学館「裏サンデー」で連載されている竹内じゅんや氏のWEB漫画「まっすぐ息を吸って。」が物議を醸している。  この漫画は現在5話まで連載されている放送部を舞台にした漫画で、なんとNHKの協力の下描かれているという。にも関わらず、「実態と乖離している」という批判や、後述する方向性の違いが様々な不満をもたらしているというわけだ。  別にこの文章がそれらの現象を一歩引いた視点でまとめて、記録にしようというものではない。なにせ僕も放送部員である(全国の皆さんには程遠いものであるが)ので、そこから目を離すというのは無理なことである。なので、作品考としてこの文章を記すことにしようと思う。ここまでお膳立てされた作品が起こした「不満」なんて、珍しすぎるからだ。  先に結論を言うと、あの作品には「現場への敬意」が欠けていたように思う。学校によって環境は違えど、「外郎売」(※1)についての説明をあのコマ数で終わらせてはならないと思うし、省略された事項が多すぎる。さらに言えば、WEB漫画の特性を活かした扉絵が、青春マンガとはベクトルの違う「お色気」であったことも不満を増大させている一因だ。  もちろん、「現場への敬意」を書きすぎると、エンターテイメント作品として成立しづらくなるのも確かだ。自主制作映画によくある「裏側」を書きすぎた感じとでも言えばいいのか(それを貶しているわけではない)。それは「現場からの敬意…

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