誰に向けて書くか、作るか

 もうだいぶ前に買ったオレンジ色の表紙に直筆の著者名が記された本を手にとって呼んだ。題名は「僕の死に方」。 流通ジャーナリスト・金子哲雄氏はこの本で自らの経歴・栄光、そして大病との闘い、臨終と退治する覚悟を全て書きつくした。子供の頃、価格情報を調べることで母に褒められた経験から自らの使命を「お得情報を発信する人」と定めて、そしてその考えに基づいて戦略的に完全燃焼した、その全生をだ。 さて、かつては経営者向けの雑誌での執筆を主としていた彼が、テレビにも出演するジャーナリストになるきっかけは、テレビ番組の街頭インタビューに出演するという「ちょっとした偶然だった」という。 偶然を偶然のままにするわけはなかった。彼はすぐさまツテを辿って、久米宏も所属する「オフィス・トゥー・ワン」に所属。そこからの快進撃は言うまでもないだろう。 が、その道のりの足がかりも、メディアの特性を理解し「先読み」を当てた部分が大きいと思う。そもそも、テレビの出演よりも先に週刊誌で記事を掲載してもらい、それが掲載されている週刊誌をテレビの喫煙室に置いたのは、テレビの取り上げるネタは週刊誌で一次評価なされたものが多いという読みが関わっている。ちなみにそれは何故かと言うと、テレビのネタは映像を撮るコストも合わせて制作費が高額で、さらに安定して視聴率を稼ぎたいので初出しネタは避けたい傾向があるのだという。 さらに、テレビに関しては、裏番組にも出られるようにコメンテーター出演ではなくスポット出演などにしたり、週刊誌を読んで鍛え抜かれた目で「…

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